アズログ

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僕が「お金の奴隷解放宣言」に賛同する3つの理由

こんにちは、アズマです。

キングコング西野さんが絵本作家として携わった作品、「えんとつ町のプペル」が無料で公開されました。

spotlight-media.jp

ご本人がブログでこの事を報告し、今日1日色々なSNSまとめサイトなどで話題になっています。

lineblog.me

本来お金をとっていたものを、まだ発売から3カ月しか経っていないにも関わらず無料で誰にでも見られるようにしたのは相当な決断だったかと思います。

ですが、これを受けてSNSでは否定的な意見が多いです。

 

・炎上商法、ダンピング

・クリエイティブを甘く見ている

・絵本業界を破壊しにきた

etc…

(このようなまとめも出ている現状です)

togetter.com

 

ですが、果たして今回の行動が全て悪と言えるものだったでしょうか?

 

ぶっちゃけ、このブログを書いた本人の意図は無視され、「色々な人が関わった本が無料になった」事実だけを切り取って自分の好きなように意図をくみ取り、「なんかこいつ嫌い」に適当な理由をのせて叩いてる人が多いのが現状のように思えます。

 

実際、1人の小学生から届いた意見を聞き入れ、自分の本が必要とされる人にも届いていない現状を知り、自分なりに考えて解決しようと色々な人を巻き込み動くのは有名人と言えどなかなかできないことです。

また、読みたいと思った人が(たとえ作品の100%ではないにせよ)その作品を読める環境にしたことに単純に僕は賛成です。

 

ではなぜ僕がこの行為に対して賛成派なのか、3つの理由を今回はお話できればと思います。

※あまり不用意な誤解を受けたくないので先に話しておくと、

・普段、僕はクリエイターの方と一緒にお仕事をしています。

・世のクリエイティブに関わる人に対して正当な対価が支払われていない、またそういった環境が整っていないことについてもある程度知っているつもりです。

・これらのことを踏まえ、クリエイターの方々にはもっと正当な報酬が支払われるべきであるし、重要さも認知されるべきだと考えています。

といった事をご理解いただいた上で下記の意見を読んでいただけますと幸いです。

 

その1. クリエイティブな作品に誰でも気軽に触れられる機会を作った

冒頭でも簡単にお話しましたが、各々の金銭事情や地位等に関係なく「えんとつ町のプペル」にアクセスできる環境は、この本のメインターゲットである子ども達にとってもクリエイターの人たちにとっても将来的に良い方向に向かうのではと僕は思っています。

 

例えば、絵画や焼物、舞台など、上質な作品を手に入れたり触れようとしたりするにはそれなり、時によっては膨大なお金がかかります。

今回の件に関しても同様で、小学生にとっても2000円というのは決して小さなお金ではありません。日々のお小遣いでは貯めたとしても簡単には手に入れられなかったり、その値段から親から買ってもらえない子であったり、まだ色々なものに興味が湧く時期で興味はあってもお金を理由にそこから遠ざかったり、様々な理由で「えんとつ町のプペル」から遠ざかることは考えられます。

 

西野さんと同じ意見で、こういったことがきっかけで作品に触れられないのは悲しいことだと僕は思います。

それに、この作品のおかげでアートなどに興味を持つ子が増えたら、今の「クリエイティブなものが軽視される」現状も変わる気がしませんか?

これをきっかけにクリエイティブに興味を持てば、その子達は成長した時にはクリエイティブを好きで、好きなものやそれを作った人には敬意を持つでしょうから。

 

 

その2. インターネット上に公開をした

今回のブログを通してSNS上で多く見られた意見として、「無料で公開するなら図書館に寄贈しろよ」「全ての学校に寄贈しろよ」「それ自腹でやれよ」って意見が特に多かったように感じます。

確かにそうすれば、インクからこだわった絵本を誰もが無料で物理的に手にして楽しむことは可能です。

ですが、今回西野さん本人がどこまで意図したかは僕にはわかりませんが、インターネット上で公開するのが結果として正しかったように思います。

 

理由として3つあるのですが、1つめは、実行までの早さです。

本人のブログにもあった通り、「すぐに行動したい」とのことであれば本の寄贈は遅いように感じます。

全国の図書館分、または小学校分だけの本を発注・取り寄せし、経緯を説明した上で発送、それを行うにも相当な手間と時間と労力がかかりそうです。

電子化するまでの労力に関してあまり知識がないため、断定はできないのですが、無料化に向けての説得とプラットフォーム作りまでの難しさを踏まえてもトータルの速度に関しては後者の方が上ではないでしょうか。

 

2つ目の理由は、今のインターネットの普及率です。

意見の中には「インターネットを見られない子は読めないからダメだ」という意見がありました。

しかし、小学生の将来の夢でYoutuberが上位に食い込み、携帯電話≒スマートフォンと言えるほどの普及率、義務教育でPCに触れる機会もある今の世の中で「インターネット」に触れられない子がいるのかどうか疑問に思えます。

それを考慮すれば、インターネットは十分公平なプラットフォームだと考えられます。

 

3つ目の理由、これは推測ですが、「100%の作品に触れられない地域が出てくる」ことです。

単純な話、小学生の頃を思い出してもらいたいのですが、図書館で借りた本に落書きとかあったじゃないですか。

あと、シリーズもの(かいけつゾ◯リとか)でなぜか揃ってなかったりする本あるじゃないですか。そういったトラブルを思うと公共の施設に置くってなかなかリスキーそうじゃないですか?

 

その3.「キングコング西野の『えんとつ町のプペル』」だからできたことだと触れている

冒頭の注意書きでも触れた通り、安易に絵や音楽、文章などを無料で提供したり、クリエイティブに対して理解のない人が「好きでやってるからいいだろ」とか「それくらいちゃちゃっとできるでしょ」とか言うのは激怒もんですしそういう風潮は早くなくなって欲しいと思っています。

 

今回の「えんとつ町のプペル」の無料化はそれに反する行為のようにも思えますが、実はそんなことないんです。ブログを読んでいただければわかるのですが、

 

……いや、モノによっては、そういうモノがあってもいいのかもしれません(←ここ大事!ニュースになると切り取られる部分ね)。

 

お金を払って買って読みたい人は、買って、
無料で読みたい人は、インターネットで最後のページまで無料で見れるようにします。

 

もちろん、いきなり全部は無理だ。
「全部無償にしろ!」とも思わない。
お金を稼ぐことが悪いことだとは思わない。
『えんとつ町のプペル』だって、こういうことができるようになったから、やっただけ。
僕だって、お金を貰わないと回らない仕事をたくさん抱えている。
 
…てなワケで俺は無料にするけど、その代わり他のクリエイターに「西野はタダにしたんだからおまえもしろ」なんて絶対言っちゃダメよ。

 

とある通り、全てのクリエイターや全ての作品が金の奴隷解放宣言をしろということではなく、キングコング西野の『えんとつ町のプペル』」だからこの対応ができたことだとブログ内で再三書かれているのです。

これは有名な人だからこそできる対応ですし、1つ目で触れたようにこれでアートとかに興味を持つ子が増えるのであれば良いのではないでしょうか。

また、最後の引用文に関しては、他の方がツイッターで「こういうこと言ってくれればかっこよかったのになー」と言っていた文を後から追記したものです。

この追記にもパクリだとか批判する意見もありましたが、僕は逆に好感が持てました。悪いところを指摘されたら素直にすぐ直すってとてもいいことですよね。

 

まとめ

少し文章が長くなりましたが、炎上商法と言われても、結果として本当に困っている子に対して救いの手がすぐに差し伸ばされたのであれば僕はいいことだと思います。

あと蛇足になってしまいますが、「商業の絵本をいきなり無料で公開した」という事実にだけ嚙みつき、ブログの文章全文を読まないで批判をする人が多いように感じて僕は悲しくなりました。

と同時に、趣味でも仕事でも文章を書く立場としては色々と考えさせられる機会になったのかなと。

 

 

というわけで、明日は余力があれば「『金の奴隷解放宣言』に反対する10の理由」で後半戦書きますね。引き続きよろしくお願いいたします。